大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)655 判決

主 文

本件再上告を棄却する。

理 由

弁護人長田三保二の再上告の趣意は末尾添付の書面記載のとおりである。

記録によると再上告人は昭和二三年三月六日上告審たる東京高等裁判所において

上告棄却の判決の言渡を受け、右判決に対し同年四月八日当裁判所に再上告を申立

てたことが明かである。高等裁判所が上告審としてした判決に対しては、旧刑訴応

急措置法第一七条によらなければ当裁判所に更に上告することができず、右の上告

の提起期間は通常の上告の場合と同じく裁判告知の日から五日であると解すべきで

あるから、本件再上告は東京高等裁判所が判決を言渡した日から五日を経過した以

後の上訴期間経過後の申立にかかり不適法である。尤も、上告人は再上告申立書中

で本件上告の第一回公判期日は昭和二三年二月二日であつたが、右の期日は裁判所

の職権で変更され弁護人に対しては次回公判期日の通知なくして同年二月二五日に

開廷審理されて弁護人不出頭のまま結審し、同年三月六日判決が言渡されたのであ

つて、弁護人は同年四月六日に至つて初めてその事情を知つたのであると主張して

いるが、右の主張自体は旧刑事訴訟法第三八七条以下に規定する上訴権回復の請求

とも解することができず、又その請求に必要な疏明も提出されていない。そもそも、

上訴権者が自己又は代人の責に帰すべからざる事由によつて、上訴の提起期間内に

上訴することができなかつたときは、原裁判所に上訴権回復の請求をすると同時に

原裁判所に上訴の申立書を差出すべきであつて、原裁判所は上訴権回復の請求を許

すべきかどうかの決定をし、この決定に対しては即時抗告ができるのである。され

ば上告人が右の手続を経ないでいきなり当裁判所に再上告を申立てることは許され

ないのである。

よつて、本件再上告の申立を不適法と認め刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法

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第四四五条に従い主文のとおり判決する。

以上は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二四年二月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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